三次元測定機の“違いがわかる”ガイド » 三次元測定機の運用・管理 » 三次元測定機の校正

三次元測定機の校正

「校正」は三次元測定器を取り扱うときには知っておきたい言葉です。三次元測定機に限らず、計測器を取り扱うときには校正をしなければなりません。校正という言葉を聞いたとき、修理やメンテナンスをイメージするかもしれませんがお互い違うものです。

校正をしなければならないのはどうしてなのか?理由を把握していないと、実際に校正を求められたとき何をすればいいのか、なんのためにしているのかモヤモヤするだけですし、ミスの可能性が高くなるでしょう。ここでは、三次元測定機や計測器を取り扱うときに知っておきたい校正について解説します。

校正とは

校正とは、計測器の現状を確認する作業です。現状とは、精度、機能、動作を意味しています。また、計測器の器差を確認することも校正です。計測器の状態の確認という意味は他にありません。なんとなく「校正をすると計測器の精度や機能がアップしそう」と感じるかもしれませんが違います。

計測器の精度や機能の向上にはつながらないです。計測器が故障しづらくなるものではないのです。「計測器が壊れたときにする作業」という意味でもありません。故障や破損や劣化したとき、元のように機能させる作業は修理です。

メンテナンスとも違います。メンテナンスは、清掃や整備や消耗品を交換し、機能の状態を正常に維持管理するための作業です。校正は計測器の現状を確認するために行います。

校正を行う理由

校正を決められた周期で定期的にするのは原則であり、明確な理由があるのです。簡単にいえば、校正をすることで、間接的に製品の品質を立証できます。

校正を定期的にするのは、その期間、計測器の状態を類推するためです。第一義的な目的は、一定期間、遡って機器の状態を推定します。前回のデータ、今回のデータにより機器の状態を類推できるのです。

校正によって確認したデータにより、計測器の判定基準が適合しているかどうか確認できます。つまり品質は、校正によりその期間、適切な、精度、機能、動作をしていたと証明できるのです。

校正をしなかった場合のデメリット

校正をしないと致命的な問題が発生します。校正をしないことは、していなかった期間、計測器の状態確認ができていないわけです。つまり、製品の信頼性が損なわれます。計測器の測定が正確かどうか、裏付けや根拠を出せないからです。

「校正期間を少々伸ばすぐらいならいいだろう」という考えもリスクがあります。確認したとき、計測の精度外れがあれば、伸ばした期間分だけ、遡って保証ができないからです。第三者に対し、校正期間を伸ばした結果、精度外れがあっても、製品の品質に問題はないと証明しなければなりません。まず、無理です。

社内で校正する場合

測定器の校正は、外部の専門業者に依頼できますが、自社でも可能です。マイクロメーターのような単純な機能しかない測定器なら手間はかかりません。ただし、単純な計測器でも自社内で校正をするなら、標準器が必要です。

標準器は国家当局が、国家や経済圏で用いることを承認した測定標準であり、国家計量標準に則っています。測定器が正確かどうか判断するためには、基準となる正確な標準が必要です。正確な標準が標準器であり、その比較を校正によって証明できます。

公的機関で定期的に校正されて、校正証明書を取得した国家標準にトレーサブルな状態のブロックゲージを使い、社内校正の手順書を作成しているなら可能です。校正のための国家資格はありません。ただ、日本品質保証機構では測定や校正のセミナーをしています。自社でするなら校正担当者を決めてセミナーを受けたほうがいいでしょう。

【種類別】三次元測定機
リストを見る

THREE SELECTIONS
違いで比較現場の要望別:
三次元測定機の
おすすめ3選

三次元測定機メーカー15社(※)の門型・アーム型・卓上型・ハンディ型と様々な製品を調査し、導入企業の声が公式HPで掲載されている信頼できる三次元測定機をピックアップ。 そのなかで「測定精度・安定性に優れている機器」「使いやすさ・汎用性に優れている機器」「実績・実例が豊富な機器」という3つに分けて、それぞれの三次元測定機が他と何が違うのかを詳しく解説します。

※「三次元測定機」とGoogle検索し、上位表示されるメーカーを15社選出しました。(2022年5月調査時点)
使いやすさ・汎用性
を求めるなら…
XM
(キーエンス)
XM(キーエンス)

引用元:キーエンス
(https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/xm/007/2111_01.jsp)

XMの
ココが違う!
  • ノギス感覚で使える独自のハンディ型
  •      
  • 測定室以外(現場やオフィス)でも使える
  • 最大2mという幅広い測定範囲
測定精度・安定性
を求めるなら…
ZEISS XENOS
(東京精密)
ZEISS XENOS(東京精密)

引用元:東京精密
(https://www.accretech.jp/product/measuring/cmm/zeiss_xenos.html)

ZEISS XENOSの
ココが違う!
  • 最大許容長さ測定誤差は0.3+L/1000㎛
  • 繰り返し精度は+-0.2㎛
  • 分解能(最小表示単位)は0.001㎛
実績・実例の豊富さ
を求めるなら…
CRYSTA-Apex
(ミツトヨ)
CRYSTA-Apex(ミツトヨ)

引用元:ミツトヨ
(https://www.mitutoyo.co.jp/products/measuring-machines/cmm/standard/191-812h/)

CRYSTA-Apexの
ココが違う!
  • 自動車、航空、製造と幅広い納入実績
  • 1934年創業のノウハウが結集
  •      
  • スマートファクトリーにも対応
【選出理由】
・ZEISS XENOSは最大許容長さ測定誤差、繰り返し精度、分解能がいずれも調査した中で最高数値だったため
・XMは測定室以外でも使用できるハンディ式の中で、調査した中で最も高精度で広範囲の測定範囲だったため
・CRYSTA-Apexは社名ありの導入実例(計12件)が調査した中で最も豊富だったため