三次元測定機を用いることにより、X・Y・Zといった三次元上の座標値を指定して測定できす。ここでは、三次元測定機を活用した同軸度・同心度の測定方法について解説します。
加工用語として使われる「同軸度」とは、2つの円筒の軸が同軸であり、中心「軸」がずれていないことを意味するものです。どの程度ずれているかについて同軸度で示します。
データム軸直線と指示された軸がどの程度であればずれても良いかを表すための幾何公差ともいえるものです。公差値には「Φ」をつけます。
例えば、データム軸線を中心にずれが0.1mm以内でなければならない場合「◎Φ0.1」と指定します。
※二重丸は同軸度を表すJIS記号です。
続いて「同心度」とは、2つの円筒の軸が同軸であり、中心「点」にずれがないことを意味するものです。円の中心の狂いの大きさがどの程度なのかを同心度で表します。
同軸度の場合、基準は中心線となりますが、同心度は中心点が基準になるのも大きな違いです。なお、JIS記号では、同軸度と同じく「◎(二重丸)」で表記します。
三次元測定機を使用することによって、同軸度・同心度の測定が可能です。
測定の方法は非常に簡単です。
まず、同軸度を測定する場合、基準要素となる円筒の測定ポイントに対し、スタイラスを当てて測定を行います。
スタイラスとは、測定物と接触する部分のことです。球形や針形をしています。
次に、対象要素である円筒の測定やポイントにスタイラスを当てれば同軸度の測定が可能です。
円筒の内側はどうしてもスタイラスを当てにくくなりますが、ポイント測定とオートトリガーをうまく使い分けて測定を行いましょう。測定の結果については測定機に記録される形となります。そのままレポート出力ができる三次元測定機であれば、入力ミスなどのリスクもありません。データ入力の手間も省けます。
続いて、同心度の測定についてです。三次元測定機を用いて同心度を図る場合は、平面の円を対象として測定を行うことになります。基準円の測定ポイントにスタイラスを当てましょう。
次に対象円の測定ポイントに対してもスタイラスを当てて測定を行っていきます。
測定する際、強く力を入れなければならないと対象物を傷付けてしまうことがありますが、三次元測定機による測定では、力強くスタイラスを当てる必要はありません。そのため、傷つけることなく正確に測定が可能です。
三次元測定機を使用すれば、今回紹介した同軸度・同心度の測定が可能になります。
測定の方法としては、他にもダイヤルゲージによる測定方法などが挙げられます。ですが、測定時に対象物を傷付けてしまう恐れがあることや、ある程度の技術が必要になるなどのデメリットもある方法です。
三次元測定機であれば特別な技術を必要とすることなく測定ができるので、活用してみてはいかがでしょうか。
三次元測定機メーカー15社(※)の門型・アーム型・卓上型・ハンディ型と様々な製品を調査し、導入企業の声が公式HPで掲載されている信頼できる三次元測定機をピックアップ。 そのなかで「測定精度・安定性に優れている機器」「使いやすさ・汎用性に優れている機器」「実績・実例が豊富な機器」という3つに分けて、それぞれの三次元測定機が他と何が違うのかを詳しく解説します。
引用元:キーエンス
(https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/xm/007/2111_01.jsp)
引用元:東京精密
(https://www.accretech.jp/product/measuring/cmm/zeiss_xenos.html)
引用元:ミツトヨ
(https://www.mitutoyo.co.jp/products/measuring-machines/cmm/standard/191-812h/)