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三次元測定機の座標系

三次元測定機を取り扱うにあたり、おさえておかなければならないものの一つに「座標系」が挙げられます。ここでは、三次元測定機の座標系とは何か、また、同じく重要な「面」についても解説します。

三次元測定の座標系とは

座標系とは、X・Y・Zなどの座標値と呼ばれるものを使い、場所の位置を示す決まりのことをいいます。あくまで座標系はデータの位置を固定するために使われるものであるため、緯度経度のように地球上の場所を示すものとは異なります。

X・Y・Zの位置関係は、変わることがありません。また、各軸にはプラス方向があることや、必ず各軸が直角になるといった特徴を持っています。

座標系は測定を行う際に基準となるものなので、対象を測定する際には、X,Y,Zといった座標系を決め、測定を進めていくことになります。

三次元測定で座標系を作る際には、測定した要素に対し、各軸を一つずつ指定していかなければなりません。

三次元測定機で測定をする場合、もともと、装置は機械座標系を持っています。この他に、対象物の中でワーク座標系と呼ばれるものが設定される形です。

装置によって規定されている機械座標系は、横(X)・縦(Y)・高さ(Z)のように規定されています。

測定する際に対象物を測定機に置く必要がありますが、その際に投影される平面である「基準面」や「基準線」となる直線を機械座標と一致させるのは簡単なことではありません。

そこで、使用されるのが前述のワーク座標系と呼ばれるものです。これは、測定しようとしている対象物が持っている基準面・基準線といったものに合わせて設定される座標のことをいいます。

ワーク座標系などを用いて位置合わせと座標設定を行い、寸法の測定を行ってきます。

注意点として、ワーク座標系の設定によってその後に行う測定したものの寸法や幾何公差の値が変わることになるので、ワーク座標系の設定には注意を払わなければなりません。

三次元測定での面の重要性

三次元測定では「面」も重要な意味を持っています。面は、測定した図形が、どのように配置されているのかを知るためにも欠かせません。

そのため、座標系を作る際には基準面を作るケースが多いです。

もし、基準面を作る際、うまく測定ができていなかったり、適した場所での面作りができていなかったりする場合は、正しく測定できないケースがあります。

そのため、三次元測定で正確な測定をするためにも面は非常に重要です。三次元測定は高精度ではあるものの、これは、正しく測定ができた場合の話です。測り方によっては結果が大きく異なることもあります。正確な寸法測定を行ううえで適切な座標を設定すること、基準面を作ることが欠かせません。

直線を求める場合は最低2か所の点があれば求められますが、面を求める場合は最低でも3か所の点が必要です。

3か所の点を測定することにより、3点を通る面ができるほか、面に対して垂直な面直線もできることになります。

なお、正確に測定点の情報を得るためには、温度環境が安定していることや、設置場所として周囲からの振動が伝わりにくいような地盤が強固な場所を選ぶことなども重要です。

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