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アッベの原理とは

ものづくりを行うにあたり、図面によって指示されているのと同じに部品が仕上がっているのかを確認するため、寸法検査が行われることになります。寸法検査について調べていたところ「アッべの原理」というものを知り、興味を持っている方もいるでしょう。
そこで、アッべの原理とはどういったものなのかについて解説します。

測定におけるアッベの原理とは

アッベの原理とは、寸法を測定する際の知識としておさえておきたい測定する器具の精度に関する原理です。
アッベの原理では、測定精度を高めるためには、測定対象物と目盛りが同軸上になければならないと定義しています。「同軸上に測定対象物と目盛りを配置することにより、測定誤差をできるだけ抑えられる」との考え方、アッべの原理です。

この条件を満たしているものといえば、マイクロメーターです。マイクロメーターといえば、製品によっては0.001mm単位での測定も可能な測定器具であり、中でも外側マイクロメーターと呼ばれる器具が代表的といえます。
マイクロメーターはアッべの原理の理にかなっており、非常に高精度で寸法の測定が可能です。外側マイクロメーターの構造をみてみると、測定対象物を挟むアンビル・スピンドルと、測定対象物の延長上にあたる部分にマイクロメーターのメモリがあります。これがアッベの原理で定義している「同軸上に測定対象物と目盛りを配置している状態」です。

一方、測定器具の中で、アッべの原理の理にかなっていないものとして挙げられるのが、ノギスです。ノギスも測定器具の中では非常に代表的な機器といえるでしょう。ですが、ノギスの場合は対象物を挟む「ジョウ」と呼ばれるものを下に見た時、目盛りはその上側に配置されています。
このことから、アッベの原理を基準として考えると、ノギスは測定精度が高い測定機器とはいえません。より高精度の測定を行いたいと考えているのであれば、外側マイクロメーターのほうが適しているでしょう。

アッベの原理を満たしていない状態とは

三次元測定機において「アッベの原理を満たしていない」といえるのは、プローブ(測定の際に使われる針)がスケールの基線彫像に合致していないために測定において誤差が発生しやすい状態のことをいいます。
このような状態になってしまった場合、測定精度を高めるための対策を取らなければなりません。
たとえば、測定器自体の剛性を高める方法が挙げられます。剛性を高めることにより繰り返し性も高められれば、ソフトウェアでの補正を行うことが可能です。ほとんどの三次元測定機にはソフトウェアによる補正機能が搭載されているので、難しいことではありません。

ただ、正確な補正を行うためには、あらかじめ適切な補正データを取得しておく必要があります。適切な補正データを取得するための方法として一般的なのは2つです。
まず、プロービングシステム部分に該当する補正データ、それから測定器の運動誤差について示すデータです。これらのデータを取得するためには三次元測定機用の標準器を用いる必要があります。

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