「三次元測定機」と言えば、門型の三次元測定機を思い浮かべる方は少なくないでしょう。門型の三次元測定機は測定精度が高い反面、「使いこなすのが難しい」という声があり、操作性・汎用性の面で大きな課題を抱えています。ここでは、そんな課題を解決してくれる「初心者でも使いやすい」三次元測定機をご紹介します。
温度変化によりワークが膨張・縮小したり、空気中の塵埃が入り込んだりする可能性があるため、信頼性の高い測定機を行なう際には、厳密に温度管理され、クリーン度にも配慮した測定室が必要。推奨温度はJISが標準環境として20℃と定めています。
三次元の測定値は縦・横・高さで表現されます。測定対象の向きや置き方によっては、各軸の方向が測定器の各軸と異なる場合があるので注意しましょう。ワーク座標系は、測定対象を使って座標軸の設定が必要です。
三次元空間で測定された図形は、その図形がどのように位置しているかを決定するための投影面が必要になります。
線・面・円・点・円筒・円錐などの要素がこれに該当。これらを平面上に投影することで、正しい測定が可能になります。
プローブ(触針)には、一般的に真球が取り付けられています。プローブを対象物に接触させたとき、その接触点は真球の表面に当たっています。その表面から中心までは真球の半径の長さを考慮する必要があり、その補正に用いるのがダミー点。このダミー点によって補正量が決まります。
このように三次元測定機は、使用する際に測定環境を厳密に整備し、複雑な設定も測定の度に行なわなければなりません。 そのため、専門知識を持ち、作業手順を知り尽くした担当者が必要になり、どうしても属人的な作業になってしまうという課題を抱えています。
三次元測定機は誰でもすぐに使えるわけでなく、特に人手不足や作業員のスキル不足に喘いでいる現場では「測定室の順番待ち」が起きたり、「測定できる作業員への負担が増大」したりしてしまう事態が起きているのです。
今回、当編集チームがそんな三次元測定機の課題を解消できる「初心者でも使いやすい三次元測定機」を徹底調査。メーカー15社の三次元測定機をリサーチしたところ、実際に導入企業から「使いやすい」という声が挙がっていたのがキーエンスの『XMシリーズ』でした。その一部を抜粋してご紹介します。

あまりにも簡単でつい測りたくなってしまう
「とりあえず大きいワークを測ってみました。ナビを見ながらガイド位置に当てるだけの測定スタイル。簡単なものを測るだけだったら本当にすぐにできます。先端を優しく当てて、ピッと押すだけで、立体の品物も簡単に測定することができます。真円、直角度、並行度等が一目でわかります。素晴らしい!みんなつい笑ってしまう(笑)結構面白くて、色々測りたくなるんですよ!」

使いやすくて便利です!
「キーエンスのハンディプローブ三次元測定機は、プローブの先端で触れるだけで測定ができる便利な測定機です。一年ほど前、勤務先でもこの測定機を導入しました。推奨範囲内の大きさのワークであればかなり正確に測れます。それこそ+-3μmくらいの精度です。推奨範囲より小さいものであれば、かなり正確に測れると思って大丈夫です」
「誰でも・どこでも・簡単に」を実現したハンディ型の三次元測定機です。従来の門型の三次元測定機と違い、手持ちのハンディプローブを対象物に当てるだけ。ノギスのような直感的な操作感覚で、手軽に本格的な測定が行なえます。 立体の複雑な形状や大きな対象物も測定できるうえ、フリーアングルプローブ採用で、カメラ視野の中にプローブがあれば、どんな姿勢でも測定が可能。測定者による誤差も少なく、人為的ミスが測定結果に影響することを低減してくれます。
多数の機能が搭載されているだけでなく、操作方法も簡単そのもの。カメラ画像と3D画像が連動し、測定箇所・要素名・測定結果とカメラ画像を同時に表示してくれるので、今どこを測定しているのかが一目瞭然です。画像やアイコン・動画を使った操作フローなど、親しみやすいユーザーインターフェースも魅力です。測定結果をCADデータとして出力でき、CADデータ作成の工数を大幅に削減してくれます。
モニタの「ナビゲーション測定画面」に、現在位置や測定点、距離インジケータなどが表示されるので、これを見ながらプローブの先端を当てるだけで、誰でも「同じ箇所」を「同じ手順」で繰り返し測定することが可能です。また、各箇所の測定結果が公差内かどうか、対象物のOK/NGを自動判別。NG部分とその数値も同時に確認でき、作業効率を大幅に向上することができます。測定時に撮影画像を活用した「検査証明書」や「作業手順書」を自動作成し、ドキュメント作成工数を大幅カットできる点も魅力です。
どこでも使えるコンパクトサイズなので、現場やオフィスなど好きな場所に設置することができます。耐環境性に優れ、温度10~35°C、湿度20~80%での動作が可能なため、測定室も不要で、加工機が置いてある製造現場にも設置が可能。カメラ部を設置台から取りはずして定盤上や三脚上などに設置したり、大型の対象物を地面に置いたまま測定したり、加工機に置いたまま機上で測定するなど、用途に応じて設置方法を変えられる汎用性の高さも見逃せません。
複雑なプログラムを組んだり、複数のコマンドを選択する必要はありません。
上記のたった3ステップで簡単に測定することができます。チュートリアル機能が搭載されているので、マニュアルを見なくても測定手順を確認することが可能。これまで測定に携わったことのない方や機械操作が苦手な方でも、直感的に測定を行なうことができます。
ここまで見てきたとおり、手軽な操作性と設置場所を選ばない汎用性を備えたキーエンスのXMシリーズは、三次元測定機がこれまで抱えてきた「使いにくさ」を解消してくれる画期的な製品と言えそうです。
「三次元測定機を使える人材が限られている」「測定室で順番待ちが起きている」といった問題を抱えている現場の方は、一度XMシリーズを試してみると良いでしょう。デモンストレーションやリースにも対応してくれるので、一度相談してみるといいかもしれません。
キーエンス公式サイトで
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| 最大測定長さ | W2000mm D1200mm H1000mm |
|---|---|
| 指示誤差精度 | ±(7 + 9L/1000)μm※ |
| 繰り返し精度 | ±3μm |
| 最小表示単位 | (距離)0.0001 mm(角度) 0.0001度 |
| 耐環境性 | 温度+10 ~ 35℃、湿度20~80%RH(結露無きこと) |
| 本体質量 | 約8kg |
| 本体寸法 | (カメラユニット)幅:518.0mm 高さ:388.6mm 奥行き:979.8mm |
※ISO10360-2参考、800×400×500 mmの範囲内、使用周囲温度23℃±1℃のとき、Lは任意測定長さ(単位:mm)